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ウェブ業界・デザイン業界で働いていると、多かれ少なかれトラブルが発生しますよね。しかもこのトラブルっていうのは「他の業界では起きないトラブル」ばかりな気がします。

今回はウェブ業者とクライアントの間で発生しがちなトラブルについて書きたいと思います。

「ちょっとお願い」がトラブルの元

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よくあるのですが、「お金は払いませんけど、なんかここ気に入らないので治して下さい」というトラブルです。これは見方によってはトラブルでもなんでもありません。そう、言ってみればクライアントにとってはこの問題はただの無茶振りであってトラブルではありません。

しかし制作会社がすでにデザインを提出し、クライアント側のOKが取れているにもかかわらずここから更に「やっぱり変えて」と言われる場合、制作会社側からするとトラブルです。デザインのOKが取れた時点で、コーディング作業に入ります。そこでクライアント都合で差し替えが発生した場合はいわば「制作会社が無償で作業にあたる」必要が出てきます。

なぜこのケースが問題になるかというと「レストランでメニューを見て注文をして、ひとくち食べて美味しくないから変えて」と言っているのとさほど変わらないからです。レストランでは絶対に言わない一言も、相手がウェブ屋だと言えてしまうのです。

どうしてもレストランのメニューなどと違い、「オーダーメイドで商品を制作する価格の高いサービス」という製品の性質上、この様なトラブルが発生しがちです。

別途費用を請求すると、何故か怒られたりごねられてしまったり、というパターンも有るのですが、こういったトラブルはどうも「ウェブ業界・デザイン業界」にのみ発生する闇の深い問題では無いかと思います。

そもそもなぜこの様な問題が発生するのかというと、「ウェブサイトの発注になれている人などいない」という事が原因です。

だいたい企業は一年で95%が倒産。企業直後にウェブサイトを制作したとしても、年に95%のビジネスは廃業になってしまいます。また、5年~10年のスパンで考えても大体3~5年程度でサイトリニューアルを行う事が多いので、長く経営を行っていてもウェブサイトの発注を行うのは2~3回程度です。

10年間存続する企業というのも非常に数が少ない為、やはり「ウェブサイトの発注に慣れる」という事はありません。言ってみれば起業してから95%が一年以内に廃業しますので、人生でウェブサイトを発注する回数などたかが知れています。

どうしても「機会が少ない為、業界の実情を理解してもらいずらい」という問題に合わせて「競合他社が多い為、無理を聞いてでも仕事を取りたい」という制作会社側の都合が原因となり、この様なトラブルは多く発生してしまいがちです。

この体質はこの業界が生まれてからずっと解消出来ずにいるのでは無いでしょうか?

ウェブデザイナーやコーダー、ひいてはウェブ制作会社まで最近は少なくなってきているという話が業界内でちらほら有るのですが、どうしても立場が弱く理不尽に耐え仕事をしなくてはならず、またこの様な問題が多く発生する為に「IT制作系」の業務従事者は早めに業界を引退するものなのです。

この様な問題が発生しない業務フローを真剣に考える事と、クライアントに対してこの様な問題が事前に発生しない様、説明に時間をさく事が重要なのだと考えています。

「成果が上がらない」がトラブルの元

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クライアントがウェブサイトを作る理由は「ビジネスの成果を上げたい為」がほとんどだと思います。

この根本が理解出来ていないと、納品後にクライアントとトラブルになります。「売れるって言ってたのに売れねえじゃねえかよ!」という現象が発生することも中には有るでしょう。

変な話ですが、ウェブ制作会社も何を売りにしているかという点が非常に重要です。ウェブコンサルティングの知識が有るので有ればさほど苦労せずに売上アップを行う事が出来ますが、そもそも「ウェブで成功体験が無いウェブ制作会社」というのは意外と多いものです。

そもそも担当が「SEO対策」などに知識が無く、実際のところはクライアントと同程度(最悪それ以下の知識)でウェブを受注してしまうというのはこの業界で珍しいことでもなんでもないからです。クライアントの作りたいものを制作に伝えるだけでは絶対に売上は上がりません。

「ウェブサイトが有れば売上が上がる」という発送はもう古いです。

この問題は「売上が上昇するまで」に前述の「デザイン駄目だしトラブル」に発展する事が多いように見えます。

もう売り上げが上がらず、制作会社に対してなんとか捻出した費用以上の事を何かしてもらおう、というのがクライアントの心理です。まあ、お金を払う側のスタンスになると解らなくも有りません。

しかし正直なところ、「クライアントがウェブで売上を上げる事は100%無理」だと思っています。そもそもそれが可能ならクライアントは「ウェブコンサルティング企業」としてひっぱりだこのハズです。

ですが、やはり「売上が上がらないので制作会社が間違えている、ここは俺が一つプロデュースして売上を上げてやろうじゃねえか!!」などとなるのがクライアントの心理ですし、私達ですとそこで「問題がデザインにあるとはさほど考えない」のですが、どうしても「パッと見て理解しやすい視覚要素」にケチを付けるのがプロでは無いため仕方有りませんよね。

そもそも「画像の差し替え」で売上が上がった事は有りません。ただ、アクセス解析やその他解析ツールの結果を見ながら「ナビゲーションや導線を変更する」などの作業を行うと成果が上がります。

もしクライアントがウェブサイトからの成果を期待しているので有れば、十分にその期待に答えられるだけの企画を練る必要があります。企画にも稼働が発生しますので、そこにきちんとした「費用」を算出しなければなりませんが、そこもきちんと納得していただけるだけのサービス内容を考えるというのが昨今のウェブ制作会社に必要なテクニックだと思います。

変な話ですが、クライアントが「無駄にお金を払おうとしているケース」もたまに有ります。

そもそもウェブ向きでは無い製品販売の場合は止めます。かけた予算を回収出来ないからです。

店舗の場合は「営業時間をお伝えしたいだけ」という場合も有りました。それならばわざわざ高いお金を払ってウェブサイトを作る必要は皆無です。この場合も「FaceBookページや無料ブログを作れば営業時間をお伝え出来ますよ」と案内し、受注しないケースもあります。

もしくは費用に見合った効果が上がりそうなサービスの提案を行います。

参入しやすく新しい業界である事がトラブルの元

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そもそもウェブ制作業界は参入がしやすいです。商業的なクオリティに問題が無いサイトを作る事ができればすぐに独立も可能なのがこの業界。

そもそも起業当初は経費も不要で身軽な反面、どうしても新規案件の獲得に困ってしまう背景が有りますので、クライアントの無茶を聞いてしまいがちになります。

かくいう私どもも起業当初はその様なスタンスをとることもたまに・・・。

特に技術系の人が独立した場合、クライアントとの費用面での交渉が甘く、修正地獄に突入してしまうこともしばしば有ります。

このあたりは経験で回避可能だと思うのですが、正直なところこのままではこの業界はもうだめだと思います。

そもそも横の連携で業界全体の身を守るという考えも有りませんし、どうしても新規参入が出ては潰れというサイクルですし、車などと違って「高価な場合その勝ちを解ってもらいづらい」という問題も有ります。(実際のところ数十万円の制作費は払う方にとっては高額ですが、もらう方としてはそうでも無いケースもあります)

業界内の方しか解らないと思うのですが、大手ソーシャルゲームのメーカーなどが高い給料で人を集め始めると、結構簡単に人不足が発生しますし、決算期前などはどこの制作会社も案件に溢れて一杯一杯です。

どうしても問題が起きやすい業種で、さらに別にたらふく儲かるほどお金を頂いている業界では有りませんので、どうしても最後は「人間のちから」という資本で乗り越えるしか無いのですがそれにも限界があります。

「好きでウェブデザインをやっている」という人なんて、私は一人も会った事が有りません。たいてい五年~十年とキャリアを積むと「現在とは違うビジネスモデルをやりたい」ですとか「田舎に引っ込んで農家になりたい」などという人ばかりです。どうしても軽く見られがちなのがウェブ制作会社です。誰しもがその消耗に耐えられないのです。

結論:安請け合いがトラブルの元

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結局のところ、安請け合いしてしまうから問題が起きます。まあ世間では「お客様は神様・仏様」といいまして、もちろんお客様がいて生活ができていますので勿論私達もお客様に感謝の氣持が有ります。

しかし、「フランス料理店で粗暴な振る舞いをしている客」は締め出されるでしょうし、「ホテルで備品をぶっ壊しまくる」などされてしまうと残念なことながらお客様として扱う事は出来ませんよね。また、万引きなども同様で警察に引き出すハメに。

あまりにも多くのブーメランを頂戴し、結果赤字になるくらい修正が増えた、という状況を考えるとどうでしょうか?全く利益にならないです。

そもそも「ウェブ業界」や「デザイン業界」にはびこる習慣が問題です。変な話ですがこれだけ苦労してこれらの仕事を「なぜやっているのか意味不明」です。

大体競合他社も多く、競争力をつけようとして値段を下げても工夫が無ければただ負担が増えるだけです。そんななか「仕事を取るために苦労しなければならない」という現実が有るわけですが、商売は他にいくらでも有るわけです。なんでデザインやウェブ制作をやっているのか本当によくわかりませんよね。

大体、商取引は「価値の交換」です。ですので、お金をちょうだいしたからといって奴隷の様に振る舞う必要は無いのです。奴隷の様に振る舞っていなければ仕事が取れないというのであれば、「商品やサービスに間違いがある」と考えるべきです。

売れているラーメン屋の主人の様に横柄になれ、という話ではありません。ただ「クライアントが喜んでお金を払う。行列を待ってでも頼みたい」というレベルのサービスが提供できるのであれば、今まで起きていた諸問題を避けて通れる可能性が出てきます。

人間焼き畑農業。このままだと業界が吹っ飛ぶ

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いろいろと気をつけなければならないこの業界ですが、どうしても新しい業界ということもありまた「相場」というのも実際有ってないようなものです。

どうしても「自分の価値を安く見積もりがちなフリーランス」というのは多いですし、「足元を見る狡猾なクライアント」というのもビジネスの世界ですので当たり前にいます。

さらにウェブサイトを作るにあたって「値段の高い低い」という問題よりも「作る人ができるか出来ないか」の問題の方が大きいようにも思えます。当たりハズレが大きいです。10年前から進歩していないウェブ制作会社もたまに有りますし、どう考えても安く仕事を摂り過ぎな優秀な人もいますし。

別にそれらが悪いという話では無いのですが、このまま行くといつか「ウェブ制作の費用がとんでもなく高騰する時代」がやってくるのではないかと思うことがあります。

介護事業などと同様です。「最悪の仕事」という事になると労働者も集まりません。提供できる分母が減ると価値が上がりますので、単純に値段に反映してしまうのでは無いでしょうか?

これらの問題の解決方法はあるのか?

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解決方法は有ります。実はウェブやデザインの業界で最も問題となる存在が「営業担当」なのです。営業担当は「仕事を取ってくる」ことが仕事になる訳ですが、正直な話営業担当の出来不出来次第でプロジェクトに問題が起きるかどうかがかかってきます。

例えばですが、契約時にきちんと「FIXが取れたデザインを着工した後、修正がある場合は費用をちょうだいします」という説明をするだけで、無駄な修正地獄は回避出来ますし、またウェブや印刷物などがどのようにビジネスに利益をもたらすかという説明と信頼関係が築ければ「クライアントの趣味趣向で修正が【無償で】発生しまくる」という現象は回避可能です。

そこを「お客さんとの関係性が~」とか言ってしまう営業担当は正直なところだらしないと思います。もちろんそういう事情があれば制作チームは動くでしょうが、そもそもそんな事を言い始めてしまったら「全てのお客さんが大事、制作チームの健康状態よりも大事」となってしまいますよね。

意外と認識が薄いのですが、制作チームは貴重な商品で有りリソースです。一案件にとりかかり、修正地獄にハマったら他案件が着手できなくなりますし、そうなるとキャッシュ・フローが遅れ経営が不安定になります。

大体にしてプログラムの会社などでもよく言われているのですが、「クライアントとSEの妄想を実現するのが仕事」と言われています。大体問題は上流で起きており、いざ制作に着手となった場合に制作チームに逃げ場は有りません。

貴重なリソースを無駄に使いつぶすのです。ですので、「案件のスタート時に発生しそうな問題についてクライアントとじっくり相談する」というところまできちんとやるのが「ウェブ・デザイン・IT業界の営業担当のしごと」なのだと思います。

やはり人間同士なので「情け」で動くときも有ります。しかし実際のところビジネスを行っている訳ですので、その認識が甘ければやはりビジネスは破綻するしか有りません。

また、解決方法に関して重要な点はもう一つです。「クライアントはなぜウェブサイトを作るのか・制作会社はなぜクライアントからお金を戴くのか」というこの二点をじっくりと考えてみる必要が有ります。

というか、きちんとこの辺りをクライアントとともに話し合いをするべきです。大体問題が起きるケースはこんな感じです。

「制作会社はお金が欲しいからクライアントから案件を受注したい」

ちょっと腹立たしいのですが、こんな姿勢で仕事をしているから問題が起きるのです。絶対にクライアントは「制作会社にお金を上げたいから制作を発注している」訳が有りません。

根本的な部分こそ最も重要です。

最後に

少し気をつけるだけで問題は解決できるはずです。もちろんこういった問題は私達も実際に体験してきました。しかしちょっとの工夫で大分問題はおきなくなってきました。受注時点で後々問題が起きないようにフォローするようにしましたし、自分達が売っているモノの正体を突き止めたからです。

この問題は別に「誰かが悪い」という話では無いと思うのですが、こういった問題を常に抱えている方が多いため記事を書こうと思い立ったのです。

そもそも業界自体が健全では無い状況で、クライアントの経営状況を健全化できるハズが有りません。

また、IT技術やデザインなどは非常に重要な仕事です。大分落ち着いてきたとはいえ世間のIT化はまだまだ進んで行きますし、美的感覚が必要とされるデザインの世界で生き残れる本物のデザイナーというのは実はそんなに多く有りません。

これらの問題を放置していく状況はある意味「国益を損なう」レベルの問題だと感じますし、他国との技術的な開きが大きくなればなるほど日本全体の将来が暗くなってしまうと思います。

デザインやウェブデザインの世界に、そろそろある程度の「平均化」が必要になってきていると感じます。レストランで食事する様に、制作会社とクライアントの間に「暗黙の了解」をもうけるべきです。

本当に少しでも業界が健全になればと思っています。