ドラム音源「Addictive Drums」で有名な「XLN AUDIO」がリリースした、音質を一気にレトロに出来るプラグイン「RC-20」がリリースされてだいぶ立ちます。

ずっと気になっていたのですが、最近やっと導入できましたのでレビュー致します!

RC20は何が出来るプラグイン?

RC20はトラックに「レトロな質感」を加える為のプラグインです。

プリセットを見てみると何が出来るか大体イメージが付くと思うのですが、「CassetteTape」などのプリセットを利用することでカセットテープ風のサウンドに近づける事が可能です。

いろいろな時代のいろいろな機器を利用した質感を再現する為のプラグインです。

RC20はどんな時に使える?

様々な使い方が有ると思うのですが、まず自分がよく使うパターンとしては「ハイファイ過ぎるトラックに利用する」という使い方が多いです。

以前RX950の記事でも書きましたが、Lo-fiな質感のサンプラーの音とソフトウェアシンセなどを一緒に混ぜると、どうしてもソフトシンセがハイファイ過ぎて浮いてしまう。

そういった場合にカセットテープやレコード、昔のゲーム機、VHSなどのプリセットを使って音を汚すのに使っています。

ちょっとしたSFXサウンドにも利用できると思いますし、イントロのサウンドだけRC20を利用して汚した音を使うのも面白いでしょう。

または過激にカセットテープやレコードのプリセットを楽曲全体にかけてみると最近流行している「Lo-fi Chill系HIPHOP」みたいに出来ます。

RC20、独特のパラメーター群

RC20はそのポジションも非常に独特なプラグインですが、やはりパラメーターもちょっと独特です。

MAGNETIC / マグネティック

読んで字の如く「磁気回路」のサウンドな訳ですが、要するにこれは「テープのヘッド」のサウンドをシュミレートしたパラメーターでしょう。

テープの揺れとして「FLUTTER」のパラメーターがあります。コレを右に回していくとこまめに音がふらつく効果をシュミレート可能です。DROPOUTSを右に回すと途中で音がボソボソと途切れます。

SPACE / スペース

スペースはリバーブになっています。単体でかけると本当にただのリバーブです。リバーブ単体のプラグインが必要な人はきちんとした良いリバーブをゲットすると良いでしょう。

ただ、リバーブが付いている事により、リバーブ成分を強めにしてSEND RETURNで利用する事により「レトロなリバーブ」としても使えますね。

パラメーターをいじりまくれば「テープを通したリバーブの音」なども作れるわけですから、意外とDUBなんかに良いかもしれません。

適当に色々とかけてみて、リバーブのWETをMAXにすると案外スプリングリバーブっぽい音がします。

FOCUSはエフェクトをかける周波数帯域を選べる様になっています。

DIGITAL / デジタル

こちらのパラメーターは「デジタルノイズ」の付加です。所謂ビットクラッシャーです。

RATE BITSツマミを右にしていくとBIT数が減ってザラザラしたサウンドになっていきます。

SMOOTHをゼロにすると「ギザギザのエイリアスノイズ」を付加します。SMOOTHを足すとエイリアスノイズのギザギザ感が減ります。

こちらのパラメーターを利用すると、古いサンプラーや電子機器のサウンドの再現ができます。

DISTORT / ディストート

こちらは「歪」に関するパラメーターですね。真空管歪をシュミレートする「TUBE PAIR」やトランスを経由したサウンドをシュミレートする「IRON」、「CRUNCH」「HEAVY」という通常の歪が二種類、謎の「ZIP」とスピーカーを経由したサウンドをシュミレートしている「AIR」という種類から選ぶ事が可能です。

ギターなどの世界で言う「歪み」というよりは、やはり「ハード機」などを経由した際の歪感といえば良いのでしょうか。とりあえず「ディストーションのプラグインがほしいから!」という理由では買ってはいけません。

トランスフォーマーのサウンドシュミレートは非常に珍しいですよね。割とレトロなサウンドカラーを得るために、この歪のパラメーターはなかなか重要な仕事を果たしている印象です。

WOBBLE / ウーブル

こちらのパラメーターは「回転ムラ」のパラメーターですね。レコードプレーヤーやテープのプレイヤーは、どうしても「回転ムラ」というのが発生するのですが、「MAGNETIC」のフラッター効果とは異なり、結構ぐらぐらに音を揺らす事ができます。

こちらのパラメーターはレコードやカセットテープのシュミレートにかなり強い効果をもたらす事が可能です。

Chill Lo-fi系でよく利用されるRolandの「SP404」のバイナルシュミレーターみたいに音を揺らす事ができます。

NOISE / ノイズ

こちらのパラメーターは「ノイズを付加する」為のパラメーターです。

レコードのパチパチノイズや、カセットテープやVHSのヒスノイズなど様々なノイズを付加する事ができます。ラジオや8bitといった様々なノイズが選択可能です。

FOLLOWを使うと音の発音に合わせてノイズ付加ができます。DUCKを使うと音が出ていない時にノイズが発音され、まるでコンプのサイドチェインを利用した時の様な効果が得られます。

TONEは右に回すとハイが上がり、左に回すとローパスフィルターの様な効果が。

あとはPREとPOSTが選べる様になっています。

こちらも「レトロなサウンドの再現」にとって非常に重要なパラメーターになっています。

RC20まとめ

値段は約80$ということで、そこまでお安い感じでもありませんけれど、これが有れば音が汚し放題で延々と楽しめるので正直言うと買ってよかったです。

ポジション的には色物だとは思うのですが「DAWでのミックス作業は音が綺麗になりすぎる」という問題を解決する素晴らしいプラグインです。

ただ、効果は非常に「過激」ですので、使い所を間違うとちょっとやりすぎになるかと思いますので注意が必要。

さらに様々なトラックにかけすぎると楽曲に様々な「ノイズ」が乗りまくることになりますので、複数アサインする場合はノイズのパラメーターをちょっとづつ減らす様な工夫が必要です。

このプラグインがインストールされているとちょっとした安心感があります。最近結構中毒しています。

本製品が気になっていた方、買っちゃっていいと思いますよ!